汗が出る仕組みと多汗症

汗

汗は人間が生きていくうえで必要不可欠な機能です。汗は体の冷却機能として作用し、体が過熱するのを防ぎます。

私たちの体には200万~400万の汗腺があります。これらのほとんどは「エクリン汗腺」です。エクリン汗腺の多くは足、手のひら、額、頬、わきにあります。エクリン汗腺は体が過熱した時に汗を出します。その汗が蒸発する際に、体から熱を奪います。つまり体温をコントロールする役割を持っているのです。この汗は無臭で、透明です。一般的に多汗症に関係する汗はこのエクリン汗腺です。

汗腺の仕組み
汗腺の仕組み

  • S…皮脂腺
  • G…汗腺
  • H…毛根
  • E…表皮
  • D…皮下組織

他には「アポクリン汗腺」と呼ばれるものがあります。アポクリン汗腺はわき、頭部、陰部にあります。アポクリン汗腺は脂肪酸とタンパク質が詰まっている濃い汗を生産します。この汗が皮膚の表面でバクテリアに接触すると、独特の体臭が発生します。

エクリン汗腺とアポクリン汗腺は神経によって動かされます。この神経は以下の例を含む様々な刺激に反応します。

汗腺が反応する刺激
  • 体が加熱していることを示す脳からのメッセージ
  • ホルモン
  • 感情
  • 身体活動(運動)

過度な発汗または多汗症をもつ人々において、汗腺(特にエクリン汗腺)は刺激に対して過敏に反応します。そして時々、必要以上の汗を生産します。こうした状況は、多汗症がある人々の間では「スイッチが入った」とも言われます。

すべての過度の発汗が同じ原因・症状であるとは限りません。そして実際、過度な発汗が非常に重大な「何か」の合図である可能性もあります。だから次は多汗症の兆候と症状を学びましょう。