ミラドライ(miraDry)はカリフォルニア州サニーベールにあるミラマー(Miramar)研究所で開発され、2011年11月にアメリカ食品医薬品局(FDA)が わきの多汗症・わきが治療法 として認可しました。そして今、ミラドライは北アメリカ・アジア・ヨーロッパ各地で利用することができます。
ミラドライで使用する装置は、わきの下の不要な毛を永久に減らすための効果もあり、この点においても2015年にアメリカ食品医薬品局は許可しました。アメリカ食品医薬品局が認可した中では、わきの下の発汗と不要な毛の処理(脱毛)を同時に止める装置は初めてです。
ただし、この装置を使った脱毛はミラスムーズ(mirasmooth)と言われる点に注意してください。本ページではあくまで発汗を止める機能について解説します。
ミラドライの臨床実験と評価
2013年に発表された「Journal of Cosmetic and Laser Therapy」によると、 ミラドライはわきの下の多汗症とわきが治療に効果がある ことが示されています。研究では11人のアジア人患者がミラドライの治療を受けて、症状が改善されたと評価を受けました。
2012年4月にブリティッシュ・コロンビア大学で行われた臨床実験では、 多汗症患者の90%以上がわきの下の発汗を減らすことに成功 しました。 発汗量の減少率は平均82% でした。この結果に対して患者の満足率は90%とかなりの高評価を得ました。
最近ではキャロリン・ジェイコブ博士が2013年に発表した「Seminars in Cutaneous Medicine and Surgery」で次のように述べています。
ミラドライの仕組みと効果
ミラドライはわきの下の身体的構造に最適化された治療なので、わきの下の多汗症に大きな効果があります。しかし、手や足での多汗症治療に用いることができません。
ミラドライはわきの下の汗腺がある部位に、正確に制御された電磁気エネルギーを送ります。その際に、 非侵襲性(切開しない) の携帯用装置を用います。そして、汗腺を熱分解します。
汗腺が電磁気エネルギーによって分解される間、皮膚の表面は冷却されて保護されます。治療の効果はすぐにあらわれて、効果も持続します。ただ、最高の結果を得るために、 3ヵ月ほどの間隔をあけて2回目の施術を行うことが推奨 されます。
ミラドライの施術と注意点
ミラドライは医師のオフィスで施術され、一般的には2~3時間ほどかかります。処置を始める前に、局部麻酔が行われます。患者は不快感を感じることはほとんどありません。
ただし、施術後の2~3日は氷嚢や軽い鎮痛剤の使用が推奨されます。ほとんどの患者は施術後に通常の生活に戻り、働くことができます。一般的には数日以内に運動を再開することもできます。
ミラドライの副作用
ミラドライの施術後、数日間にわたってわきの下が腫れたり、赤くなったりすることがあります。二の腕とわきの下の麻痺やチクチクとした感じが5週間ほど続くこともあります。
汗は体の体温調節機能で重要な役割を持っていますが、わきには体全体の汗腺の2%以下しかありません。専門家によると、わきの汗腺の除去による体温調節機能への影響はなく、ETS手術後に起こり得る代償性発汗の懸念もないとされています。
ミラドライの費用
ミラドライは健康保険が適用されない自費診療のため、かなり高額になります。費用は大体30万円以上が一般的です。
もしあながたミラドライ以外の方法でわきの多汗症を治療したいのならば、ボトックス注射や経口薬も考慮しましょう。