目のまわりは顔の中で最もデリケートな部分です。アイクリームには即効性を求めがちですが、低刺激であることが第一です。肌への優しさを考えたとき、オーガニックコスメを挙げる人は多いのではないでしょうか。
たしかに「オーガニック」という言葉には不思議と安心感があります。しかし必ずしも肌に良いとは限らず、かえってトラブルの原因となる場合もあるのです。本当に安心して使えるアイクリームを選ぶために、まずオーガニックコスメの正しい知識を身につけましょう。
オーガニックの定義
化学肥料や農薬を使わず、自然に近い状態で有機栽培された作物や畜産物を「オーガニック」といいます。オーガニックコスメとは一般的に、オーガニック植物を主原料にした化粧品を指します。
しかし日本には化粧品のオーガニック基準を定める法律がありません。メーカーの判断にまかされてるため、オーガニックコスメとは名ばかりの商品も存在します。
対する欧米には「ECOCERT(エコサート)」や「NATRUE(ネイトゥルー)」など複数の認証機関があります。天然成分の配合率など細かく制定していますが、団体によってその基準が微妙に異なるため、2017年に統一基準「COSMOS(コスモス)」が実施されるようになりました。
オーガニックのメリット
バリア機能を高める
肌そのものを健康にすることがオーガニックコスメの目的です。植物がもつ殺菌力や抗酸化力を取りいれ、トラブルが起きにくい肌をつくります。古くからあるヨモギや米ぬかの化粧品もこれに当てはまります。ケミカルコスメで招きやすい悪循環を断ち切るきっかけにもなり、結果的にバリア機能の回復が期待できるのです。
アロマの癒し効果
有効成分として配合されることの多い精油は、美肌効果だけでなく香りによるリラックス作用もあります。精油の分子は非常に揮発しやすいため、皮膚だけでなく鼻からも体内に吸収されます。血液やリンパ液を介して全身を循環し、ストレスの緩和・ホルモンバランスの調整・免疫力の改善などの効果をもたらすとされています。ちなみに刺激が強く危険なので、精油の原液を直接皮膚につけないでください。
自然環境にやさしい
オーガニックの基本的な考え方は、地球環境や生態系を守ることです。そのためオーガニックコスメブランドの多くがエコ運動に積極的です。自然を汚染しない製造方法・環境保全・フェアトレード・動物実験の不実施など、さまざまな活動に取り組んでいます。オーガニックコスメを使うことで自然環境に配慮しているという点で、これもメリットの一つといえるでしょう。
オーガニックのデメリット
値段が高い
有機栽培は手間や時間がかかるため、必然的に値段が高くなります。オーガニックコスメは長期間使ってこそ効力を発揮するものですが、高額すぎると継続するのが大変です。ケミカルコスメのような即効性がないことも、割高に感じさせる要因かもしれません。
使用期限が短い
天然由来の防腐剤を配合している場合、一般的な化粧品よりも劣化のスピードが早くなります。パッケージに記載されてている使用期限をチェックしてください。とくにアイクリームは水分も油分も多く、非常にデリケートです。保管方法に注意して、なるべく早めに使い切るようにしましょう。
アレルギーのリスクがある
オーガニックコスメには何種類もの植物エキスが使われており、原料が多いほどアレルギーが発症しやすいと言われています。また天然成分だからといって誰にでも合うわけではありません。オーガニックコスメに切り替えたら肌荒れするようになった、という人は意外とたくさんいます。アトピー体質や敏感肌は使用を控え、できれば敏感肌におすすめのアイクリームを選んだ方がいいでしょう。
オーガニックの「根拠」で見極める
オーガニックコスメを選ぶときは、 何を基準にオーガニックとしているかを確認 します。信念をもって商品を開発しているメーカーなら、公式HP上で詳細に説明しています。
さらに一歩踏み込んだ見極め方をするなら、 オーガニック成分の配合率にも注目 してみてください。配合率が記載されていなければ、原材料欄の最初の方にオーガニック原料が表示されているか見てみましょう。
そしてもっとも重要なことは、 オーガニックコスメを過信しない ことです。トラブルなく使い続けているなら、無理にオーガニックアイクリームに切り替える必要はありません。ブランドやキャッチコピーに惑わされず、自分に合ったアイクリームを選んでください。