オルニチン(Ornithine)はアミノ酸(アルギニン)から生成される非必須アミノ酸です。私たちの体は廃棄物の除去を促すためにオルニチンを生産します。体が十分な量のオルニチンを生産できない場合、潜在的に毒性の代謝性廃棄物が蓄積します。適切な量のオルニチンの生産を妨げる珍しい遺伝的障害である場合を除いて、 十分なたんぱく質を含む食品を食べていれば適切な量のオルニチンを生産できます。
オルニチンとは
オルニチンはオルニチンサイクル(尿素回路)と呼ばれる生化学的プロセスに関与しています。オルニチンサイクルは体が過剰な窒素含有化学物を取り除くための手段です。
実はアミノ酸そのものが体内の窒素の源でもあります。アミノ酸は筋肉や他の器官のたんぱく質、神経伝達物質やホルモンなどの生化学的化合物に変化します。これらの窒素含有化学物は損傷を受けて分解されるので、リサイクルするか廃棄物として除去する必要があります。この問題は尿によって排出することにより解決されます。
食品に含まれるオルニチンの比較
食品 | オルニチン(100gあたり) | 100gの目安 |
ブナシメジ | 140mg | 適宜 |
しじみ | 10.7~15.3mg | 約35個 |
キハダマグロ | 1.9~7.2mg | 刺身7~10切れ |
チーズ | 0.76~8.47mg | スライスチーズ5枚 |
ヒラメ | 0.6~4.2mg | 約1切れ |
パン | 0.4mg | 食パン6枚切り1.5枚 |
男性も女性も一日のオルニチン摂取目安は400~800mgとされています。しかしこれはオルニチンサイクルを無視した量です。オルニチンサイクルによって使用されたオルニチンは再利用されるので、一般的には食品からの摂取量は400~800mgとなることはありません。
ただし アルコールの過剰摂取、過剰なトレーニング、肉体疲労、ストレスなど体(特に肝臓)への負担が大きい場合 はその限りではありません。オルニチンを多く含む食べ物を意識してください。以下に並べるたんぱく質を豊富に含む食品は同時にオルニチンも含んでます。
肉
オルニチンは肉に含まれます。ボディビルダーは筋肉の増強および回復を促進するために、牛肉・鶏肉・豚肉などのたんぱく質が豊富な食品を摂取する傾向があります。肉中のオルニチンは成長ホルモンの放出を刺激し、筋肉の大きさ及び強度を増加させます。肉はオルニチンが豊富であることに加えて、抗酸化作用を有する亜鉛、セレン、鉄などの重要な栄養素も豊富に含んでいます。肉の健康上の利点を得るならば、できるだけ脂肪が少ない肉を購入しましょう。
卵
ベジタリアンにとって卵は良いオルニチン供給源です。卵は食べやすく、良質なタンパク源であるだけでなく、ビタミンAやEなども含んでます。また成人の脳機能に役立つ栄養素であるコリンを含みます。オルニチンと栄養上の利益のために卵を食べることを決めたならば、有機卵を購入しましょう。抗生物質や農薬が使用されていない商品です。
魚
魚は良質なオルニチンの供給源であることに加えて、たんぱく質を摂取する際に脂肪が多い肉の代わりとなります。鮭、サバ、ニシンなどはオメガ3脂肪酸が豊富で、心血管疾患のリスクがある人々にとっての健康維持に適しています。魚を食べることの健康上の利点を得るためには、焼き魚を週に2回食べるのが一般的です。
乳製品
乳製品はオルニチンやカルシウム、タンパク質、カリウム、リン、ビタミンA、Eなどの栄養素を豊富に含んでいます。低脂肪乳製品は筋肉や強骨の構築を助け、高血圧リスクを軽減し、体重管理を改善します。 乳製品には、ミルク、チーズ、ヨーグルトなどあります。乳糖不耐症の人(乳製品で消化不良や下痢になる人)は、豆乳やヨーグルトチーズを摂取したり、乳製品を摂取するのに役立つ酵素錠剤を検討してください。
しじみ
しじみに含まれるオルニチンの量は他の食品と比べて圧倒的に多いです。それは日本人が昔から酔った時にシジミの味噌汁を飲む習慣があることから、身体で理解しています。シジミには他にも良質なたんぱく質、タウリン、アラニン、ビタミンB12などが含まれています。
食品から摂取するならしじみの味噌汁が一般的です。しかし調理に手間がかかるので、一般家庭で日頃から食べる機会はそうそうないでしょう。それならばサプリメントで手軽に補給するのが効率的です。私の場合は専ら飲み会のために飲んでいますが、日ごろから疲れが取れにくいという人はオルニチン不足の可能性もあるので、ぜひオルニチンサプリメントでの補給を試してみてください。