「高い化粧水をちょっとずつ使うより、安い化粧水をたくさん使ったほうが肌に良い」ってよく耳にしませんか?確かに肌の乾燥は様々なトラブルを誘発させるため、保湿はスキンケアの要とも言えます。たっぷり浴びるほど化粧水をつければ、なんとなく肌が喜んでいるような気がするのも分かります。でもこの美容法、多くの人が陥りやすい誤解が潜んでいるのです。
間違ったスキンケアはシミやニキビを招くだけでなく、肌が過敏になってしまう可能性もあります。一度敏感肌になってしまうと悪循環を繰り返し、なかなか改善できません。乾燥肌だから化粧水でたっぷり保湿しないと!と、毎日浴びるほどつけている人はとくに要注意です。
頑張って続けていたお手入れが実は肌にとって逆効果だった、なんて辛すぎますよね。だからこそ肌の保湿メカニズムを知って、もっと効果的にスキンケアしましょう!今、悩まされている肌荒れから解消されるかもしれません。
バシャバシャ化粧水はナゼNG?
肌表面にある角質層に化粧水が浸透すると肌が潤ったように感じますが、水分はそれ以上奥へ入り込むことはできません。角質層自体も約0.02mmと非常に薄く、吸収できる水分量には限度があります。つけた分だけ肌の保水力がアップするわけでもなく、一定量以外は浸透されません。
さらに角質層がふやけてしまい、ちょっとした刺激でも剥がれやすくなります。角質層の隙間からは化粧水とともに皮膚内部の水分が蒸発し、角質細胞がめくれたまま乾燥します。乾燥→化粧水でたっぷり保湿→乾燥が積み重なり、お手入れすればするほど乾燥してしまう「過乾燥」を引き起こすこともあります。
乾燥肌が慢性化すると、毛穴の開きやシワなど肌の老化現象が目立つようになります。保湿後にTゾーンがテカる場合も、過乾燥による過剰な皮脂分泌が原因の一つといえます。またバリア機能が低下すると外部からの刺激に弱くなり、炎症、かゆみ、赤みなどの肌トラブルが出やすい敏感肌になることも多いのです。
適量は肌に聞け!
化粧水には洗顔後の肌環境を整える働きがあり、他の基礎化粧品の浸透力を促進させます。肝心なのは適量をつけることです。しかし適量は人によって個人差があるため、肌の状態を見ながら見極める必要があります。
まずは化粧水に記載されている1回量を手に取り、軽く温めてから顔につけます。健康な肌であればコットンでもいいのですが、肌が弱くなっているときは手でつけた方がいいでしょう。おでこから頬、アゴにかけて顔を包み込むように、細かい部分には指の腹を使って丁寧に浸透させます。擦らず、叩かず、優しくハンドプレスするのがポイントです。全体に馴染んだら化粧水を追加し、水分が不足しているところに集中的につけていきます。これを2~3回、しっとりするまで重ねます。詳しくは化粧水の正しいつけ方をご覧ください。
肌がひんやりモチモチとしてきたら、それが角質層まで潤った証拠です。すぐに乳液やクリームを塗って水分の蒸発を防ぎます。美容液を塗る場合は乳液などの前につけます。またローションパックやシートマスクも肌の水分を蒸発させるので、長時間の使用は避けましょう。
ケチらず欲張らず!化粧水で肌質アップ
化粧水のつけすぎはダメですが、少なすぎるのもNGです。高価だからといって化粧水をケチってしまっては、せっかく美容成分が配合されていても充分な効果は得られません。パッケージに明記されている1回分の量は必ず守ってください。
毎日使う身近な存在だからこそ、化粧水の使い方を一歩誤ると悪循環を招くことになります。配合されている成分にこだわるのも大切ですが、逆効果になってしまっては意味がありませんよね。重要なのは、自分の肌が必要としている量をきちんと届けてあげることです。
知らないうちに保湿を頑張り過ぎていたあなた、今日からでも肌は改善できます。化粧水などの基礎化粧品は、正しく使うことで最も効果が発揮されます。肌が正常に機能できるよう、上手に使いこなしてサポートしてあげましょう!