女性ホルモンと似た作用をもつイソフラボンは、美肌からアンチエイジングまでマルチに活躍してくれる成分としてすっかり定着しました。別名「植物性エストロゲン」とも呼ばれ、豆乳イソフラボンが配合された化粧水もたくさん登場しています。
まさに女性の味方と言っても過言ではないイソフラボンですが、皮膚につけてもその効果は得られるのでしょうか?食品のイメージが強いだけに、ちょっと疑問ですよね。そんな豆乳イソフラボンの特徴、そして化粧水で期待できる美肌効果について斬り込んでみたいと思います!
イソフラボンの特徴と種類
卵巣から分泌されるエストロゲンは30代から徐々に減少し、様々な体調不良の原因にもなります。コラーゲンやヒアルロン酸などの成分もともに減産するため、乾燥が進んでシミやたるみが目立つようになります。そこで頼りになるのが、エストロゲンと化学構造が似ているイソフラボンです。不足した働き手をサポートすることでホルモンのバランスが整い、肌機能が健全に活動できるように作用します。
そもそもイソフラボンとは、大豆胚芽に多く含まれるポリフェノールの一種です。分かりやすく言うと大豆の苦味や渋味成分で、2つの種類があります。糖と結合している「グルコシド型」は、分子が大きく吸収されにくいのが特徴です。その糖を取り除いて分子を小さくしたものが「アグリコン型」で、高い吸収性をもっています。化粧水などにはこの「アグリコン型」が使われているので、皮膚からも成分を浸透させることが可能なのです。
化粧水でゲット!イソフラボンの美容効果
イソフラボンの美肌効果は大きく分けて、「女性ホルモンと類似した作用」と「抗酸化作用」の2つです。
女性ホルモンが活性化されて体毛が薄くなり、ホルモンバランスを整えることでニキビに働きかけます。イソフラボンに含有されているグルタミン酸は保湿効果を、アスパラギン酸はターンオーバーを正常化し、サポニンは高い抗酸化作用によりシミの原因となる過酸化脂質の生成を抑制します。紫外線で受けたダメージを修復するレシチンは、脂質と馴染みやすい性質を活かして他の成分を働きやすくします。このように各々が助け合い、高め合うことでイソフラボンの力を発揮しているのです。
使い方は通常の化粧水と同じですが、ムダ毛の抑毛効果を狙うなら剃毛処理をした後に使用するのがベストです。とくに入浴後は毛穴が開いた状態で、毛をつくる毛母細胞に届きやすくなっています。また女性ホルモンは男性からも分泌されるので、シェービング後の保湿や青髭対策にもお勧めです。ただし元々の毛が濃いほど、効果が出るまで長期戦になる可能性があります。
注意点を押さえてイソフラボンパワーを使いこなす!
女性にとって嬉しい要素満載の豆乳ローションですが、大豆アレルギーを持っている人は注意が必要です。「食べるわけじゃないから大丈夫」と思うかもしれませんが、アレルギー反応には個人差があります。触れただけで発症する可能性もあるので、必ずパッチテストをしてから使うようにしてください。
また豆乳に含まれている「ウレアーゼ」という酵素は、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する働きがあります。加熱処理してもまれに残る場合もあり、肌荒れの原因にもなりかねません。尿素入りの乳液やハンドクリームなどとの併用は避けた方がいいでしょう。
イソフラボンの含有量にも注目してみてください。せっかく美容効果が高くても、低濃度であれば効果もその分薄くなります。成分表示は含有量の多い順に記載されているので、購入の際は確認しましょう。「ダイズエキス」「ダイズ種子エキス」「豆乳発酵液」などの成分名が何番目に書かれているか、確認してみるだけでも充分です。
アンチエイジング化粧水の中でも比較的お手頃な豆乳イソフラボンは、チャレンジしやすいところも大変魅力的です。毎日のお手入れで、賢くイソフラボンパワーを取り入れてくださいね!